第76回研究例会レジュメ
葛谷 彩(明治学院大学講師)
「20世紀ドイツの国際政治思想:文明論と国際関係論を中心に」
本報告は、20世紀ドイツの国際政治思想が、グローバル化する今日の世界において極めて示唆に富むものであることを明らかにし、その再評価を目的とするものである。具体的には、シュペングラーの文明論・国際政治論とランケからモーゲンソーに至る19世紀末から20世紀前半にかけてのドイツのリアリズム的国際政治観を取り上げながら、シュペングラーを始めとするドイツ的文明論・国際政治論を通底してるのが、近代ドイツの世界観の中核を成す「文明(普遍主義)と文化(個別主義)」の相克であることを明らかにすると同時に、政治・経済・技術においてグローバル化する世界と個別化する文化的アイデンティティーの相克という今日の世界的課題(アメリカ一極支配対イスラム原理主義テロリズムなど)に直面する中で、普遍主義的・一元論的なアプローチを旨とするアメリカ国際関係論の限界を超えるものとしてその意義を再評価する。
本村 和子(前アジア開発銀行・タジキスタン駐在事務所長)
「タジキスタンの挑戦
?異なる価値観との共存と、経済的自立をめざして?」
1.ソ連邦解体による独立、内戦を経て、安定と発展に向かった15年
(1) 5年にわたる内戦からの復興を支えた国民の平和への希求
(2) 着実な経済復興が政治的安定の基盤に
(3) タジキスタンの復興を支えた国際援助・協力
2.タジキスタンを取り巻く現在の国際環境
3.さらなる発展の展望
(1) タジキスタンの新国家開発戦略(2006?2015年)の作成
(2) 豊かで健全な発展のための課題
注
*ここに掲載したのは、お送りいただいたレジュメを400字程度にまとめたものです。
*アンコール研究の世界的権威であり、今回の基調講演をお願いした上智大学長・石澤先生のレジュメも近日中に掲載します。
*研究例会後に懇親会も行う予定ですので、多くの方のご参加をお待ちしています。
(kikaku)