第38回比較文明学会大会概要

比較文明学会会員 各位
                                                   

第38回比較文明学会大会 概要

大会趣旨
 本大会では「『いのち』をめぐる文明的課題の解決に向けて」を大会の統一テーマとする。もともとの構想は2025年に開催が決まった大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」にどうつなげるかを比較文明学の視点から議論することにあった。なぜなら、今年は1970年の大阪万博から50年にあたり、梅棹忠夫、小松左京、加藤秀俊らが起草にかかわった「人類の進歩と調和」の理念がいかに継承されてきたか、また日本開催の次の万博に向けていかに継承していくかを問う絶好の機会と考えたからである。
 それに加え、新型コロナウイルスによる感染症がパンデミックとなり、人類の生存に対するグローバルな脅威となっている。この問題の解決に向けてはたんに医学的な見地からの対応にとどまらず、経済や政治を巻き込んだ社会全体の課題が浮上している。しかも、将来の展望が見えないなかで喫緊の対策が求められている。換言すれば、「いのち」をめぐる重大な文明的課題が急浮上しているのである。
 このような事態に全世界が直面しており、臨機応変に本大会を開催する必要がある。一般にパンデミックは早期の解決は困難であり、長期戦を強いられることは必至の情勢である。とするならば、感染症の問題もひとつの話題としながら、人類の未来社会について議論することは時宜を得ていると言えるだろう。
「『いのち』をめぐる文明的課題の解決に向けて」という統一テーマのもとに、3つのサブ・テーマに分かれたシンポジウムを企画する。サブ・テーマは?「生き物をめぐって現代文明を考える」?「万博とユネスコの文明論的意義を考える」?「社会・文明・思想から「いのち」を考える」とし、生物多様性と文化多様性に根ざした文明多様性の是非について議論する。
 また国際比較文明学会にも参加を求め、日本の比較文明学会の生命倫理や地球倫理の 推進者との熟議をとおして、あらたな展望をひらきたい。その一方、万博やユネスコといった文化的多様性を尊重する国際的な仕組みのありかたについても検討を加える。
 自由発表ならびに3つのシンポジウムに関しては大会時に『報告要旨集』を作成する。また、シンポジウムの成果は学会の機関誌『比較文明』ならびにComparative Civilizations Review に掲載するとともに、『季刊民族学』(千里文化財団発行)においても特集を組んで公表する。

  • 3つのシンポジウムの記録。英語の講演はそのまま英文で掲載予定。2021年の大会時に刊行。
    ** 国際比較文明学会の機関誌。基調講演者は寄稿の権利をもつ。また、3つのシンポジウムの概要について寄稿することも可能。
    *** 年4回、千里文化財団が発行する「国立民族学博物館友の会」の機関誌。いくつかのシンポジウム報告を選んで編集。2021年1月刊行。
  1. 日 程:2020年11月21日(土)~ 23日(月、祝日)
  2. 場 所:国立民族学博物館(〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1)
  3. 大会プログラム: 大会プログラムについては、9月頃に、比較文明学会ホームページ(http://www.jscsc.gr.jp/index.do)やメール、ハガキ等でご連絡します。

【大会1日目 2020年11月21日(土)】
シンポジウム(1)  13:00~17:30 第4セミナー室
生き物をめぐって現代文明を考える(仮)
13:00~14:00 民博展示場ツアー
14:00~17:30 シンポジウム
●司会&趣旨説明:池谷和信(国立民族学博物館)(20分)
●報告(報告25分、質疑5分)

  1. 遠藤秀紀(東京大学):生き物の「いのち」
  2. 未定
  3. 鈴木英明(国立民族学博物館):生き物とグローバルヒストリー
  4. 野林厚志(国立民族学博物館):生き物とミュージアム
    <休憩> 10分
    ●総合討論(60分)
    1. 奥野卓司(山階鳥類研究所、関学名誉教授):コメント 15分

【大会2日目 2020年11月22日(日)】
午前中は自由発表 10:00~12:30 第4、第5、第7セミナー室
 各自30分(報告25分、質疑5分)
シンポジウム(2)  13:30~16:45 第5セミナー室
万博とユネスコの文明論的意義を考える
●司会&趣旨説明:中牧弘允(国立民族学博物館名誉教授)10分
●報告(報告25分、質疑5分)
1. 佐野真由子(京都大学):国際博覧会の文明論的意義
2. 服部英二(元ユネスコ文化担当特別事業部長、麗澤大学):ユネスコの文明論的意義
3.沓名貴彦(国立科学博物館):空間のもつ文明論的意義:上野公園
4.五月女賢司(吹田市立博物館):空間のもつ文明論的意義:千里万博公園
<休憩> 10分
 ●総合討論 55分
     1. 未定 コメント15分

【大会3日目 2020年11月23日(月)】
シンポジウム(3)  10:00~17:30 第5セミナー室
社会・文明・思想から「いのち」を考える
●司会&趣旨説明:原田憲一(比較文明学会会長、前至誠館大学学長)10分
●講演 10:10~12:00 (講演45分、質疑10分)
1. リン・ローズ Lynn Rhodes (国際比較文明学会会長、蘇州大学名誉教授、国際コンサルタント):“Human Rights, Those Who are Governed and the Legitimacy of Law Enforcement”
2. マイケル・アンドレグMichael Andregg(聖トマス大学名誉教授、国際比較文明学会会員、平和運動活動家):“Developing Global Crisis”
●報告13:00~17:30(報告25分、質疑5分)
1.ウスビ・サコ(京都精華大学学長):マリ社会における「いのち」
2.広瀬浩二郎(国立民族学博物館):バリア・フリー社会における「いのち」
3.カール・ベッカー(京都大学):生命倫理における「いのち」
4.島薗進(東大名誉教授、上智大学):宗教倫理における「いのち」
休憩 10分
1.鎌田東二(京大名誉教授、上智大学):生き物と信仰・宗教
2.鈴木七美(国立民族学博物館):エイジング・フレンドリー・コミュニティにおける
「いのち」
3.金泰昌(韓国東洋フォーラム):老年哲学における「いのち」
休憩10分
● 総合討論 40分
1. 未定 コメント15分

理事会:11月21日(土)11:30~12:30 第6セミナー室
総 会:11月22日(日)17:00~17:45 第5セミナー室
懇親会:11月22日(日)18:00~20:00 みんぱくレストラン ※懇親会の開催は未定

お願い
 新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、本年度の開催方法についてはオンラインでの開催を含め8月の実行委員会にて決定いたします。その決定内容、開催時期の状況により、内容を変更させていただくこともございます。今後ホームページやメール・手紙にてお知らせいたしますので、そちらをご確認いただきますようお願いいたします。ご理解のほど、何卒よろしくお願い申しあげます。

連絡先:第38回比較文明学会大会実行委員会〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1国立民族学博物館3階 千里文化財団内 
  第38回比較文明学会大会実行委員会
Eメール:hikakubunmei2020@minpaku.ac.jp