比較文明学会第99回月例研究会

演題:郊外の風景 文明・文化の表象としての風景

講演者:中島直人(慶應義塾大学准教授)

日時:6月22日(日)15時~

場所:立教大学12号館2階会議室

かつて郊外の風景は都市に住む人々による行楽の中で発見された。それは、人間と自然とが一体化したある一つの文明が構築したコスモスといえよう。都市の近代化は、郊外の風景に「郊外生活文化」創造という役割を与え、そこでは住民による風景の創出が試みられた。しかし、戦後に勢いを増した都市化は郊外に文化的成熟の時間を与えることを許さず、設計空間としての団地、ニュータウン、そして、それらの周囲では、次第に「郊外化」の風景、設計者さえ不在の風景が広がっていった。こうした過程で消えていった風景への関わりの回復こそが、これからの郊外を考える一つの論点となりうるだろう。

講演者の専門分野と簡単なプロフィール:専門は都市計画、都市デザイン、都市史。1976年東京都生まれ。東京大学工学部都市工学科卒、同大学院修士課程修了。博士(工学)。東京大学大学院助手、助教、イェール大学客員研究員、慶應義塾大学専任講師を経て、2013年4月より現職。

主な著作:・『都市美運動 シヴィックアートの都市計画史』(東京大学出版会) ・『都市計画家石川栄耀 都市探求の軌跡』(共著、鹿島出版会)・『建築家大?正人の仕事』(共著、エクスナレッジ)

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