2014年 比較文明学会 第32回大会の計画概要

日程=10月11日(土)、12日(日)

*12日夕方から13日にかけて、大宰府での九州国立博物館を中心とするフィールド・トリップ(希望者のみ)を計画中

会場=西南コミュニティセンター(福岡市早良区西新6−2−92、西南学院大学内)

*地下鉄で、福岡空港より20分、博多駅より13分、西新下車・徒歩5分

大会事務局=香蘭女子短期大学図書館長室(福岡市南区横手1−2−1)

実行委員長=前田芳人(西南学院大学名誉教授)

大会テーマ=『文明交流と日本文明』

趣旨

 過去数万年のあいだに、現代人類は地球上のほとんど全域に展開し、各地でさまざまな文明を発展させた。いっぽう、それらの発展には、諸文明の交流も、互いに大きな刺激を与えてきた。そこで、本大会では、文明交流と日本文明をテーマとして考察を試みる。

 ユーラシア大陸の東端に位置し、海に囲まれた日本列島は、古くから、おおまかに一つの文明領域として発展してきた。旧石器時代から縄文時代、稲作の開始などをへて、次第に日本文明を形成してきたが、それには他地域の文明との交流による刺激も大きな役割を果たしたと考えられる。また、日本文明も、諸文明に影響しているであろう。これらについて、さまざまな視点をもとに、あらためて整理してみる。

さらに、現在、交通・通信手段の発達によって距離の空無化がいわれ、見方によっては、地球全体が一つの村のような状況を呈してもいる。そこで、上記の議論を踏まえながら、これからの文明交流と日本文明についても考えてみたい。

このような議論は、これまでにもなされているが、今回のシンポジウムでは、九州に焦点を当てながら、諸文明と日本文明との交流やその影響について検討する。

 九州は、歴史上、日本列島の海外との文明交流において重要な役割を果たしてきた地域である。いくつか例をあげれば、邪馬台国と魏との交渉においては伊都国が重要な意味をもっていたと思われるし、7世紀ごろからは大宰府がその役割を担っている。また、古代の大陸への航海安全祈願には、九州北方海上の沖ノ島が重要な役割を果たしてきた。鉄砲やキリスト教の伝来、あるいは九州の大名による天正の少年遣欧使節などもあり、江戸時代の海外貿易や情報の重要な窓口は、長崎であった。このような九州を通しての文明交流が、日本文明の形成にどのようにかかわったのか、また、日本文明は世界に対してどのような影響をもったのかについての議論を、考察の足掛かりとしたい。

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