比較文明学会 第33回大会 プログラム

「イノベーションと文明」

2015年11月7日(土)、8日(日)
東京理科大学葛飾キャンパス(東京都葛飾区)

<大会趣旨>
価値を創造し、未知の可能性を切り開くといったフレーズとともに、イノベーションということばは今やいたるところで聞かれるようになった。イノベーションはとかく企業や国家間生産競争において不可欠なものと捉えられている傾向が強い。比較文明学会第33回年次大会では、「イノベーションと文明」というテーマを掲げ、活発な技術革新や産業活動の先にある、人類に益となる結果をもたらすイノベーションの姿を模索する。そのために、次の3つの視座を共有して議論したい。1) イノベーションは先端科学技術や経営などの分野に限定されるものではなく、人々の日常生活、環境、社会に大きな変化をもたらしうるものとして、あらゆる分野を横断することは言うまでもなく、広く一般に開放されるものであるという前提、2) イノベーションを社会の変化と捉え、その変化に対する分析やイノベーションへのコミットなしでは存在意義を失うというような風潮に対する批判的アプローチなど、さまざまな議論を通して、ともに人類の未来のためのイノベーションのあり方を模索する必要性、3) マクロな歴史学、生物学、心理学、社会学など比較文明論近傍の学問分野は「進化」をキーワードにすでに一定の研究成果の蓄積があるが、それらの成果と、必ずしも接点のない新たなイノベーションとのインターフェースを尊重しつつ、ややもすれば「対話」や「相互理解」といった理想的発話状態に縛られた発想に陥りがちであった従来の比較文明学のブレイクスルーへの期待。 これらの視座を通して、本テーマが、国立民族学博物館初代館長であり比較文明学会創設にかかわられた故梅棹忠夫氏が民博の将来と人類の未来の生き方に思いをはせて遺した「絶えざるイノベーション」の意味を想起させるものとなることを期待する。

日時:2015年11月7日(土)、8日(日)
会場:東京理科大学葛飾キャンパス(東京都葛飾区新宿6-3-1)
大会実行委員長:榎本のぞみ(東京理科大学)
大会実行委員会事務局:
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 東海大学文学部アメリカ文明学科内
Email:jscsc.33rd.conference@gmail.com

<プログラム>
■11月7日(土)(大会第1日目)
9:30~ 受付開始(講義棟201教室前)
       大会参加費:一般会員 3,000円、非会員 参加費無料・資料代500円のみ
10:00~11:00 特別講演1(講義棟201教室)司会:中牧弘允(国立民族学博物館名誉教授)
       石黒 浩(大阪大学基礎工学研究科特別教授)「ヒトとロボットの進化」
11:00~12:00 テーマ関連ビデオ上映(講義棟201教室)
13:00~14:20 特別講演2(講義棟201教室)司会:阿部珠理(立教大学教授)
       本川達雄(東京工業大学名誉教授)「生物学的文明論からイノベーションを考える」
14:40~17:00 公開シンポジウム(講義棟201教室)コーディネータ:松本亮三(東海大学教授)
       パネリスト:山下範久(立命館大学教授
       川野俊充(ベッコフオートメーション株式会社 代表取締役社長
       綾部広則(早稲田大学教授)
       中泉拓也(関東学院大学教授)
17:30~19:30 懇親会(管理棟1階 食堂)会費 一般会員6,000円、学生会員3,000円
非会員もご参加いただけます。

■11月8日(日)(大会第2日目)
会員による個人研究報告
第1部会(講義棟505教室)10:00~11:30 座長:金子晋右(佐賀大学)
       林 正博(東京都市大学)「技術的同時代性に関する再考察」
       小林雅博(立教大学・院)「歴史哲学と技術革新 ——— ベンヤミンの映像技術論を中心に」
       秋丸知貴「陸軍『秋丸機関』による経済研究の学問的意義
       ——— 学問研究におけるイノベーションの歴史的一事例として」
第2部会(講義棟506教室)10:00~11:30 座長:加藤久典(中央大学)
       飯田侑里(東海大学・院)「日本の廃墟ブームとその時代性」
       岡山奈央(東海大学・院)「ブルネイ・ダルサラーム国における持続可能な観光」
       赤坂信(千葉大学)「昭和初期における『日本新八景』ブームと国立公園法制定期にみる観光立国志向」
第3部会(講義棟505教室)13:00~15:00 座長:赤坂 信(千葉大学)
       鷹取勇希(東海大学・非常勤講師)「『TED Talks』からみた英語支配と言語・文化多様性の様相
       ——— 各掲示板におけるコメントの質的分析」
       犬塚潤一郎(実践女子大学)「社会の技術環境化 ——— システムと人間世界の構造」
       星野克美(多摩大学名誉教授)
       「『現代文明滅亡』の検証と考察 ——— 『文明のレボリューション』が、なぜ急がれるのか?」
       染谷臣道(麗澤大学客員教授)「強欲は文明が生み、文明を蝕む癌、獅子身中の虫、その除去は戦乱の後?」
第4部会(講義棟506教室)13:00~15:00 座長:横山玲子(東海大学)
       斉藤沙綾(東海大学・院)「ウェーバーからみる古典期マヤの支配構造」
       石津達也(著述業)「『託古改制』からみた比較思想史 ——— 幕末と中国清末」
       金 京燕(京都大学・院)「咸錫憲の『シアル思想』における個人の信仰問題に関する考察
       ——— 内村鑑三の無教会主義と比較を中心に」
       金 聖哲(公益財団法人モラロジー研究所)
       「自然環境における公共性 —— 廣池千九郎と崔漢崎の倫理道徳思想を中心に」

★プログラムのPDFファイルは下の部分をクリックすると、ダウンロードできます。ぜひご利用下さい。

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