第 112 回研究例会

文明の間に生きる知恵——西域諸国の外交術 篠原典生先生

 
比較文明学会第 112 回研究例会を以下の要領で開催します。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。

********比較文明学会第 112 回研究例会********
日時:5 月 15 日(土)14 時〜16時 20 分
開催形式:Zoom を使ったリモート会議形式での開催
研究例会テーマ:「現代の文明的閉塞状況打開のために—過去現在の多様な文明との比較に学ぶ—」
講演者:篠原典生先生(中央大学総合政策学部助教 A)
タイトル:文明の間に生きる知恵——西域諸国の外交術
講演要旨:
 東西の文明をつなぐシルクロード。そこには多くの人々が暮らしていた。「西域」とは狭義には現在の新疆タリム盆地一帯を指し、紀元前 2 世紀ごろにはすでに多数の国家が存在していた。本発表では東西の二大文明圏にはさまれた西域諸国に焦点を当て、強大な政治力、軍事力、文化力の影響を受けながらも完全に飲み込まれることなく、独立を保ち、独自の文化を発展させてきた生き残りの「知恵」を探ってみる。
 まず、漢代以来の漢文で書かれた文献を手掛かりとして、中国と西域諸国との政治的な関係についてみる。また出土資料から経済的、文化的なかかわりについても触れてみたい。そのなかから、シルクロード上の単なる通過点ではなく、文明の橋渡しという重要な役割をもち、文明の発展にある程度の影響を与えてきた西域の歴史的地位を再考してみたい。
 日本は国家としての成り立ち当初から中国の強い影響下におかれ、また近代化に際しては米国からの圧力を無視することは出来ず第二次世界大戦を機にその影響力はますます大きくなってきている。前世紀末に提出された「文明の衝突」が、米中対立の激化によりますます強く意識されてくる今日にあり、現代日本の国際的立場を鑑みるとき、二大文明の間で生きた西域諸国の歴史を顧みることには、なんらかの意味を持つだろう。
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参加希望者は前日の18時までに事務局にメールでご連絡ください。追って参加URLをお伝えします(比較文明学会会員の方は会報メーリングリストで自動的に参加URLが送付されますので、事務局への事前連絡は不要です)」。
なお、参加者の把握、荒らし防止のため、なるべく本名でのご参加をお願いします。
発言時以外、マイクはミュートにしてくださるようお願いします。
質疑応答は挙手ボタンを使って行う予定です。

何かご不明点等あれば、事務局(hbm@tamacc.chuo-u.ac.jp)までお問い合わせください。