創設30周年記念出版 掲載論文公募のお知らせ

 この度、創設30周年記念として、『文明の未来—いま、あらためて比較文明学の視点から』を、2013年10月に出版する運びとなりました。つきましては、若干の投稿論文を公募することに致しましたので、「趣旨」をお読み頂き、応募要領に従ってご応募下さい。

趣旨:21世紀の幕開けは、国連の「文明間の対話国際年」に始まり、人類は「戦争の20世紀」を脱却し、異文明間の対話の促進による世界協調、民族共存の道を標榜し、またその実践に取りかかるかに見えた。だが2001年に起きた9.11アメリカ同時多発テロが象徴的に示すように、21世紀は戦いの世紀を引きずるばかりか、むしろ地域紛争は数を増し、民族間対立は激化している。

 当初バラ色に描かれたグローバル経済は、国際間の経済格差を推し進めるとともに、グローバルスタンダードに後押しされた規制緩和や新自由主義的風潮の蔓延は、各国内における格差の深化と弱者の切り捨てを助長している。

 本学会は,20周年記念出版における文明間の対話の促進や、最近の学会研究テーマ「収奪文明から環流文明へ」の取り組みにおいて、競争、収奪、覇権、を運動原理とする近代からの脱却、また繋がり、調和、共存を実現する文明の構築に向けての提言を続けてきた。 

 30周年記念出版もこの学会営為を引き継ぎ、現代が含みもつ近代パラダイムの検証、超克をへて、人類が平和・幸福裡に共存できる文明のありようを展望したい。ことに日本においては3.11の惨禍を契機として顕在化した「縁(つながり)」の重要性を検証,評価して「共在(ともにある)」の現・未来文明への道程を明らかにできたらと考える。「縁(つながり)は当然のことながら、人と人の繋がりに限られてものではない。人と自然、人とモノ、モノと自然など全ての可視・不可視のものの関係性を含む意味で、トータルな生態智的考察を要請するだろう。またタイトルの時間軸が示すよう、過去の文明の盛衰や転換から未来まで、歴史的スパンを長くとり、より広範な論者に執筆頂きたいと考えている。

 現代文明はどこに向かうのか。比較文明学の理論と方法により、未来文明を展望することは本学会の不可避の課題である。本書では、学会知を結集してこの課題にせまりたい。

応募要領:

(1)応募条件 比較文明学会の会員であること。

(2)応募内容 趣旨をご理解頂いた上で、論考のタイトル及び概要をA4サイズで1枚(1200字まで)にまとめ、(3)に示す比較文明学会事務局のメールアドレスへ添付でお送り下さい。

(3)提出先 jscsc@tsc.u-tokai.ac.jp

(4)締切 2012年12月15日(土)

(5)審査 応募頂いた概要について、「30周年記念出版編集委員会」において審査し、審査結果を2012年12月末までに連絡致します。

(6)その他 審査の結果、掲載となった方々には、2013年5月までに完成原稿を入稿して頂くことになります。

奮ってご応募下さい。

30周年記念出版編集委員会

阿部珠理(委員長)、鎌田東二、中牧弘允,服部研二、横山玲子

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