2019年度 第5回環流文明研究会のご案内
2019年度最後の研究会を下記のように開催いたします。多数ご参加いただき、活発な議論を期待いたします。
記
(日 時) 2月15日(土)13:00~17:00
(場 所) 東海大学代々木校舎 4号館 4408教室 (4階)
(内 容)
(1) 川野美砂子
人新世・コモンズ・鎮魂 — 屈斜路湖畔におけるアイヌの絶滅種鎮魂儀礼 —
人新世という概念によって可能になるのは、人間が地質時代の代表に選ばれるということより、むしろ人間中心的な世界観からの脱出である。そのことは植民地主義と資本主義による生活世界の私有化によって苦境に陥らされてきた先住民の世界観と思想の再評価につながるように思う。アイヌの絶滅種鎮魂儀礼の意味を分析することでこのことを考えてみたい。
(2) 牧野英二
「危機の時代の哲学」とその実践的課題 — 「哲学の終焉」以後の「グローバル・シティズンシップ」の可能性 −
初参加者として自己紹介を兼ねて、現代の哲学・倫理学の主要動向と関連づけて、発表者の研究教育活動の一端を報告させて戴きます。また発表者が構想する「市民」の立場に依拠した「危機の時代の哲学」の実践的課題と具体的な取り組みを紹介させて戴く予定です。
今日、「哲学の終焉」以後の知的状況下で、存在論・真理論・倫理・人間観・自然観及び科学技術等の再検討が迫られています。そこでこれらの課題と不可分の新たな「グローバル・シティズンシップ」の可能性を21世紀の哲学的課題として提起させて戴きます。
(連絡先) 科学技術・生存システム研究所 神出瑞穂
Email: kamide-mizuho@max.hi-ho.ne.jp