重久俊夫 著『幻想の時間――時間非在論のメタフィジックス』

比較文明学会の皆さま

重久俊夫会員の著書が出版されましたので、お知らせします。

『幻想の時間――時間非在論のメタフィジックス』(晃洋書房 2026年8月)

ISBN:978-4-7710-4071-7

【内容】

河にように流れる時間は幻想ではないか。

古代インドの仏教論師ナーガールジュナの哲学を独自に解読する時、神話でも直観でもない明晰な論理として、流れることのない時間の真相が開示される。

それは、「私が私であり続け、いつか死んで無に帰する」という既成の死生観をも劇的に変革するだろう。

【目次】

パートA 時間の考察

まえがき あの日に帰りたい!――思索の始まり

第一章 プレリュード――ナーガールジュナの夢〈歴史的考察1〉

    一 はじめに

    二 不生不滅の縁起

    三 時間非在論証

    四 アートマンの否定

第二章 時は流れず

    一 はじめに

    二 予備考察(1)――意識現象の考察

    三 予備考察(2)――外的世界の考察

    四 展開(1)――時間と自我の考察

    五 展開(2)――幻想の考察

    六 展開(3)――永遠と無常の考察

    七 おわりに――論理の妥当性の考察

第三章 仮想世界の起ち上がり

    一 はじめに

    二 最初の諸仮定

    三 日常的世界の生成

    四 科学的世界観への発展

    五 おわりに――三つの「世界」

あとがき 日々は流れ、私はとどまる――思索の結末

パートB 五つの追加考察

まえがき 折々の思索――「B面」の研究

第四章 「無限」の真相

    一 はじめに

    二 時間の分割

    三 空間の分割――その1

    四 空間の分割――その2

    五 無限の本質

第五章 幻想の中の「絶対者」

    一 はじめに

    二 純粋質料

    三 汎神論と「永遠の今」

    四 思想史における汎神論の展開

    五 純粋質料と現象世界との関係

    六 おわりに――真理の世界とあこがれの世界

第六章 仏教流伝――〈歴史的考察2〉

    一 はじめに

    二 アートマン

    三 要素実在論とその超克

    四 ターニング・ポイント

    五 絶対者の復活

    六 中観派の形成と刹那滅論証

    七 変幻する二つの世界観(1)――天台哲学

    八 変幻する二つの世界観(2)――華厳哲学

    九 残照の時代

第七章 世界は価値に満ちている

    一 はじめに

    二 「快」と功利主義

    三 第一段階の功利主義

    四 第二段階の功利主義

    五 実証化された第二段階の功利主義

    六 「空」の世界の功利主義と日常的世界の功利主義

    七 おわりに――三つの功利主義

第八章 哲学・宗教・アート

    一 空観の意義

    二 仏教と空観

    三 宗教の本質と文学的受容

    四 哲学的アートの可能性

あとがき 「体系」への見果てぬ夢――夢は朝ひらく?