同志社大学 一神教学際研究センター(CISMOR)公開講演会のお知らせ
「テロとの戦争終結を探る—ファースト・ステージ—」
この度、同志社大学一神教学際研究センターでは、パリ同時多発テロ緊急公開講演会を開催することとなりましたので、ご案内申し上げます。
入場は無料、事前のお申込は不要ですので、どうぞ当日直接会場にお越しください。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。
【日時】 2015年12月5日(土)13:30-15:30
【会場】 同志社大学 今出川キャンパス 良心館1階RY107教室
*京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」下車 1番出口より徒歩3分
【演題】 「テロとの戦争終結を探る—ファースト・ステージ—」
【講師】 出川 展恒(NHK解説委員 中東・イスラム地域担当)
北澤 義之(京都産業大学国際関係学科 教授)
【要旨】2001年の米国同時多発テロに対して、米国はテロとの戦争を宣言し、21世紀最初の戦争が始まりました。
米国は対アフガン戦争、対イラク戦争を始めましたが、前者においてはタリバン勢力が今なお影響力を持った存在であり、後者においてはシーア派とスンニー派の構造的対立構造をイラクに作り出してしまいました。その後、2010年末に始まった「アラブの春」は、長期独裁政権VS民主勢力という構図で米欧が軍事介入し、リビアでは国家の枠組みが崩壊しましたが、その根底にあるのは、ムスリム同胞団、イスラーム過激国際連携派の伸張でした。
シリアは前記勢力の攻撃に対して、イラン、レバノンのヒズブッラー、ロシアの支援を受け、体制防衛戦争を続けています。一方、イラクにおいては、米国がつくりだしたスンニー派VSシーア派の構造的対立のなかで、旧イラク政権の革命評議会副議長イッザト・イブラーヒームに代表される旧バース党幹部や軍幹部がイスラーム過激国際連携派と合流、2014年6月のカリフ宣言と共にイスラーム国を樹立しました。イラク、シリアは領域国家ですが、これにより2001年から続いた国家VSイスラーム過激派グループの戦争は、非対称戦争から変化を遂げる契機となりました。米国連合は空爆で応えましたが、爆撃攻撃に加わって墜落、捕らえられたヨルダンのパイロットは火あぶりで処刑されました。
2015年に入り、EUのドイツの受け入れ姿勢が明らかになると、それまでのシリア難民を中心とした難民たちのヨーロッパ流入は一気に加速しました。米欧、ロシアの無差別空爆と難民創出の悪循環の中で、今回のフランスの同時多発テロ事件が発生し、オランド仏大統領はテロとの戦争宣言を行い、報復空爆を実施しました。米国によって始められた21世紀最初の世界的戦争は、オランド仏大統領の前記宣言により、西欧と中東地域の戦争として発展的に確定しました。
また同時にEUのような国家間の壁を取り除き、西欧人権理念の基づいた国家間連合は難民を拒否できない国家連合体であり、敵対国をつくれない国家であることも明確になりました。
CISMORは、このテロとの戦争に始まり、宗教が大きな役割を果たす多面的な情勢に対応してそれぞれの専門の方々を招き、講演会を開催していきます。
※入場無料、事前申込不要
★詳細は
http://www.cismor.jp/jp/index.html
facebook https://www.facebook.com/doshisha.cismor
【主催】同志社大学 一神教学際研究センター (CISMOR)
【共催】同志社大学神学部・神学研究科
お問い合わせ… 同志社大学 一神教学際研究センター Tel. 075-251-3972