第41回比較文明学会大会概要

会員各位

 

第41回大会概要が更新されましたので、お知らせいたします。

 

第41回比較文明学会大会

   

大会テーマ:混迷する世界と文明の未来~長崎で考える共生~

 

 200年にわたる日本近世の鎖国時代、世界中の文明情報はあたかも凸レンズが光を一カ所に集めるように、長崎に焦点を結んだ。その一方で日本文明も長崎に集約し、世界に発信された。その意味で、長崎は日本と世界を繋ぐ文明の発受信の基地として機能してきたと言えるだろう。

 しかし、長崎は、単なる情報交換の中継地であったというばかりではなく、世界の諸文明が交わり、融和し、平和的に共生した文明共生システムが形成され、機能していた場所でもあった。つまり、オランダを中心とする西ヨーロッパ文明のみならず、東、南、西、東南アジア各地の政治・経済・文化等の文明の諸要素が、日本文明との調和を前提に、平和裡に共生した知的伝統があった。それは、近年復元された「出島」を訪れれば多くの痕跡を見ることができる。

 第41回比較文明学会研究大会においては、近世日本を代表する国際交易都市にして、諸文明の融合と共生を成し遂げてきた長崎の地においてその「文明的財産」を検証しつつ、この世界が直面する諸問題に向き合い、「共生」について考える機会としたい。

 比較文明学は、人類の営為を余すところなく研究対象とし、分析と総合、あるいはミクロとマクロの両視点を有機的に結び付けつつ、学際的に検討する学問である。また、単に過去の事実の検討を目指すのではなく、未来志向の学として、過去から現在までの歴史を実証的に研究することを目指している。その意味でも長崎において学会研究大会を開催することには大いに意義があると考えている。

 本大会では、初日(11月10日)には、長崎の歴史的発展や意義についての対談、二日目には、『長崎で文明の共生を考える~「交流」と「融合」の歴史と意義』をテーマにしたシンポジウム、三日目は会員の研究発表に加え、長崎に関する研究者の発表セッションをそれぞれ開催する。共催者として中央大学政策文化総合研究所を迎え、長崎市の後援を得て(予定)、長崎市歴史文化博物館などと協力して、長崎の市民研究グループや市民の方々の広範な参加を実現したい。

 

□第41回大会概要

日程:2023年11月10日(金)~ 12日(日)

場所:長崎歴史文化博物館(〒850-0007 長崎市立山1丁目1番1号)

   出島メッセ長崎(〒850-0058 長崎県長崎市尾上町5-1)

【大会1日目 20231110日(金):長崎歴史文化博物館 (16:30受付開始)】

     17:00〜19:00  鼎談:「長崎に学ぶ 共生の歴史」

         発表者:赤瀬浩(活水女子大学教授)

         発表者:島田竜登(東京大学准教授)

         司会 :保坂俊司(比較文明学会会長 中央大学教授)

【大会2日目 2023年11月11日(土):出島メッセ長崎 (13:00受付開始)】

10:30~12:30役員会
13:00~受付開始(会員参加費:3,000円、一般無料[一般の方で資料の希望がある場合は500円で頒布します])
13:30~17:00    シンポジウム:「長崎で文明の共生を考える:「交流」と「融合」の歴史と意義」
発表者:保坂俊司(中央大学教授)
発表者:山口美由紀(長崎出島復元整備室専門官・学芸員)
発表者:山下範久(立命館大学教授) 司会 :吉野浩司(鎮西学院大学教授)
17:15~18:15総会
18:15~20:15懇親会(会費:一般会員6000円、学生会員3000円)

【大会3日目 2023年11月12日(日):出島メッセ長崎 (9:00受付開始)】

9:00~受付開始
9:30~11:30公開講座:「長崎学:共生の街で考える」
発表者:斉藤義朗(長崎県文化振興・世界遺産課係長・学芸員)
発表者:田中学(長崎市文化財課主事・学芸員)
発表者:島由季(大浦天主堂キリシタン博物館・学芸員)
発表者:長岡枝理(長崎歴史文化博物館・学芸員)
13:15~16:15個人研究発表

大会プログラム: 大会プログラムや個人研究発表募集等については、後日、比較文明学会ホームページ(https://hikakubunmei.org)やメール等で周知します。

連絡先:第41回比較文明学会大会実行委員会(Eメール:jscsc41st@gmail.com

以上

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