小西賢吾『四川チベットの宗教と地域社会 宗教復興後を生きぬくボン教徒の人類学的研究』

出版社:風響社
出版年月日:2015/02/20
ISBN:9784894892101
判型・ページ数:A5・374ページ
定価:本体5,000円+税

目次
まえがき
序章
 一 本書の目的
 二 二一世紀初頭における「伝統文化」と宗教のゆくえ
 三 改革開放後中国の宗教動態
 四 ボン教研究の展開と僧院の民族誌
 五 調査の概要
 六 本書の構成
第一章 シャルコクの人びと
 一 シャルコクの歴史的背景
 二 村の暮らしと僧院
 三 経済発展と生業の変容
第二章 シャルコクにおけるボン教の輪郭
 一 チベットの「伝統宗教」としてのボン教
 二 シャルコクにおけるボン教の展開
 三 僧侶と世俗社会の関わり
第三章 僧院の再建とその社会経済的基盤
 一 混乱期のS僧院
 二 S僧院の再建と僧院ネットワーク
 三 破壊と復興を生きぬいた僧侶
 四 復興からさらなる発展へ
第四章 現代を生きるボン教僧侶たち
 一 僧院組織の運営
 二 僧侶教育の現代的展開
 三 「僧侶として生きること」の多様性と結節点
第五章 年中儀礼が生み出す共同性
 一 僧院の年中儀礼
 二 「マティ・ドゥチェン」の構造と意味
 三 儀礼を支える経済基盤
 四 僧侶による儀礼の場の形成
 五 宗教舞踊チャムの継承
第六章 人びとを巻き込む宗教実践
 一 ゴンジョの活性化
 二 参加者と家族
 三 反復が生み出す達成感と一体感
 四 講話が示す価値観
 五 身体に刻み込まれる修行
 六 高僧の求心力
第七章 チョルテンの建設が結びつけるもの
 一 ボン教におけるチョルテン
 二 チョルテンの構造と納入物
 三 村の事業としての建設
 四 建設の場の成り立ち
 五 チョルテンの意味の重層性
終章
 一 社会主義体制下での宗教の存続
 二 社会変容の中で宗教がつなぐ共同性
 おわりに
あとがき
参照文献
付録:用語・地名・人名解説
索引

内容説明
社会主義のイデオロギー、市場経済や消費文化、科学技術が押し寄せ、急速に社会が変容する中、今も人々を惹きつけるボン教。破壊と復興を経た現在の宗教実践過程から、存続のメカニズムを描き出す