比較文明学会「災害と文明プロジェクト」特別企画
比較文明学会は、2013年6月30日に開催した理事会で「災害と文明プロジェクト」を発足し、その第1回目のシンポジウムを開催することに決定しました。第1回シンポジウム趣旨とプログラムは以下の通りです。
趣旨:2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、復旧・復興過程で、海岸線に十数メートルの高さの防潮堤を造ることが計画され、すでに一部着工されている。この計画と実施が地元住民の考えや将来の地域構想などを充分に組み込み検討することなく進められていることに多くの関係者が疑問を抱いている。この数年、「還流文明」や「平安文明」の創造や「調和」を学会の学術大会のテーマにしてきた比較文明学会としては、この問題を中長期的に検討していく特別プロジェクトを立ち上げ、第1回目のシンポジウムを開催することにした。冷静な現状分析に基づきながら、「文明の未来」を構想していく手がかりを学会員や関心を持っている一般市民の方々とともに議論したい。
日時:2013年9月22日(日)14時~17時(無料、予約は不要です)
場所:東海大学代々木キャンパス4号館5階講堂(小田急線代々木上原・井の頭線駒場東大前下車)
テーマ:「災害と文明——東日本大震災と防潮堤問題を考える」
基調報告:安田喜憲(東北大学大学院教授・環境考古学)「未来の子供たちに何を残すのか~防潮堤問題を考える」30分
パネリスト:原田憲一(NPOシンクタンク京都自然史研究所特別研究員・地球科学)「減災の智恵を守る」
中牧弘允(吹田市立博物館館長・国立民族学博物館名誉教授・宗教人類学)「防災と博物館」
阿部珠理(立教大学教授・アメリカ先住民研究)「‘Seventh Generation’への贈り物と研究者の関わり」
松本亮三(東海大学教授・比較文明学会会長・文化人類学)「環境から生態系へー自然と共に生きる」
横山玲子(東海大学教授・文明学)「自然を見つめる目—調和のある世界の実現に向けて」
赤坂信(千葉大学大学院教授・造園学)「防災のランドスケープ
司会:松本亮三
主催:比較文明学会
協賛:東海大学観光学部
後援:京都大学こころの未来研究センター/立命館大学環太平洋文明研究センター/立教大学大学院比較文明学専攻