中川久嗣『ミシェル・フーコーの思想的軌跡 〈文明〉の批判理論を読み解く』
中川久嗣著
『ミシェル・フーコーの思想的軌跡 〈文明〉の批判理論を読み解く』
東海大学出版会、2013年
ISBN978-4-486-01972-5 C3010 226頁 A5判
定価3150円(税込) 2013年06月20日
■目次
はじめに
第一章 『狂気の歴史』と思考の可能性 -フーコー・デリダ論争をめぐって
一 『狂気の歴史』とフーコー・デリダ論争
二 デカルトの『省察』とデリダによるフーコー批判
三 省察のプロセスと狂気の排除/神の存在証明をめぐって
四 沈黙の考古学
五 テクストの「外」と他者の問題
六 おわりに
第二章 『言葉と物』における他者の思考について
一 『言葉と物』をめぐって
二 同一者の思考
三 表象の秩序から時間の秩序へ
四 思考されぬものとしての他者
五 他者の思考
六 われわれ自身の存在論
第三章 『知の考古学』における言表/言説の実定性について
一 「実定性」の概念
二 言表/言説について
三 ドレイフィスとラビノウのフーコー批判
四 外在性 -他者の力
五 力の考古学から権力の系譜学へ
第四章 『知への意志』から『快楽の活用』へ
-フーコーの「自己の倫理」の問題系と「権力-知」批判
一 自己の倫理の系譜学
二 自己との闘い
三 自己の支配と他者の支配
四 権力-知
五 西洋文明の同一性
第五章 ローマ帝政期における自己への配慮と批判的知の問題
-古代倫理をめぐるミシェル・フーコーの比較研究について
一 『快楽の活用』と『自己への配慮』
二 ローマ帝政期の自己認識
三 ローマにおける批判的自己認識
四 ストア派へのまなざし
第六章 ミシェル・フーコーの批判理論 -いわゆる規範的問題をめぐって
一 批判的思考の立場
二 オルターナティヴの欠如?
三 自己からの離脱
四 他者への侵害 -認識の力と罪
第七章 ミシェル・フーコーの比較文明論 -境界からの批判的思考の可能性について
一 前期 -エピステーメーとアルシーヴ
二 後期 -権力システムとしての文明
三 比較の視点
四 境界と批判
五 おわりに
注
あとがき
索引