比較文明学会 第91回研究例会(7月2日)のお知らせとレジュメ
第91回研究例会は、東海大学文明学会との共同で、「比較文明学と哲学」という総合テーマで行います。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。
日時:7月2日(土)14時~17時10分
場所:東海大学高輪校舎4105教室
14時 開会の挨拶と講演者の紹介
高橋誠一郎氏(本学会理事、東海大学教授)
第一講演
中川久嗣氏(東海大学文明学会会長、ヨーロッパ文明学科主任)
14時10分~15時10分(60分、質疑応答を含む)
題名:古代ギリシアにおける自己の倫理と「権力ー知」の問題
−−ミシェル・フーコーの古代研究について
要旨: ミシェル・フーコー最後期の著作『快楽の活用』(1984年)は、ギリシア古典期の自己統御の倫理を扱ったものである。初期~中期のフーコーは自己や主体といった概念に価値を認めようとしなかったが、後期にいたって一転して自己や主体の価値を認め、それを主軸とした倫理を考えるようになったと言われる。それは同時に、初期~中期と後期フーコーの間に「断絶」があるとする見方でもある。この報告では、フーコーにおける「断絶」の問題を検討するために、彼が古代ギリシアの自己の倫理をいかなるものと捉えていたのかについて考えてみたい。そして古代ギリシアに固有な自己の倫理の「円環構造」を明らかにしたい。さらに古代ローマや日本における自己の倫理との比較の視点からも考察を進めてみたい。
基調講演
齋藤博氏(東海大学名誉教授、元文明研究所所長、元東海大学文明学会会長)
15時20分~16時40分(1時間20分、質疑応答を含む)
題名:テクノ画像コードと現代文明
要旨: 人間は記号を操る動物animal symbolicumである。それによって人間は自然の生物であると同時に反自然的な世界を拓く。そうした人間の営為を文明と呼ぶことができよう。ここでは文明をそのように捉えておく。記号操作によって人間は文明をプログラミングする。画像を描くこと、テクストを編むこと、さらには、今日私たちの生活世界に氾濫する装置の描く画像、すなわちテクノ画像も、そうした人間の記号操作の所産である。そのテクノ画像コードは現代文明のロゴスと言えるのではないか。新たな文明のロゴスとしてのテクノ画像コードを主題に論じてみたい。
総合討論
16時40分~17時10分
会場への交通:
・JR・京浜急行「品川駅」下車、高輪口より徒歩約18分(改札より右方向(田町方面)に進み、「高輪2丁目」交差点を左折)。/ JR・京浜急行「品川駅」下車、高輪口より都バス「目黒駅行」に乗り「高輪警察署前」下車、徒歩約3分。
・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金高輪駅」下車、出口1から左に進み、徒歩約8分。/都営地下鉄浅草線「泉岳寺 駅」下車、A2出口より徒歩約10分。