鎌田東二『モノ学の冒険』
鎌田東二編著 『モノ学の冒険』
定価(5% 税込)2,730円
ISBN 978-4-422-23026-9
判型 A5判
造本 上製
頁数 304頁
日本語の「もの」は単なる物ではない。物質性としての「物」から人間性としての「者」を経て霊性としての「霊▼ルビもの▲」にまで至る多次元的なグラデーションをもっている。トヨタの最新自動車から伝統的な西陣織まで、すぐれたものは「もののあはれ」を喚起させ、きれい、すごい、おみごと、と思わせる。「もの」は常に心に働きかけ、心をゆさぶり、魂まで発動させる。日本文化独特の「もの」「心」「魂」の関係に多様な視点から迫る。
目次
第I部 モノと気配とモノガタリ
聖なる場所と言葉のモノ学的探求
モノと気配
心とモノの魂について
移行対象
——内と外をつなぐモノ
第II部 モノと情緒とワザ
生きているモノの宗教学
——アニミズムを開く愛・愛を身体化するモノ
本居宣長「もののあはれを知る」をめぐって
文学の中性名詞
——坂口安吾と川端康成から