鎌田東二『神と仏の出逢う国』
鎌田東二 『神と仏の出逢う国』
[ 内容 ]
山川草木、花鳥風月、森羅万象に祈りを捧げる日本人の神仏観。日本文化の底流を成す神仏習合の歴史を見直し、社会不安に満ちている現代で平和に向かい何ができるか、新たな日本的霊性を見出し、その可能性を考える。
発売日:2009年 09月 10日
定価(税込): 1575円
四六判
ISBN 978-4-04-703449-5-C0314
発行元:角川学芸出版
[さらに詳しく]
神は在るモノ、仏は成る者。
山川草木、花鳥風月、森羅万象に祈りを捧げる日本人の神仏観。日本の自然と風土の上に花開いた神仏習合の文化を俯瞰し、平和な世界を求めて宗教の可能性を考える。
神道はユーラシア大陸の東の果てで自然発生的に生まれ、形成されてきた日本人のしきたりだ。6世紀に仏教が日本に伝来すると、神と仏は寄り添い、民間信仰などを取り込み、日本独自の神仏観をかたちづくってきた。日本文化の底流を成す神仏習合の歴史を見直し、社会不安に満ちている現代で、平和に向かって何ができるのか。新しい日本的霊性を見出し、その可能性を問う。
《目 次》
第1章 神と仏の原理的違いと習合化のメカニズム——神神習合から神仏習合への流れ
1 法螺貝から始まる
2 「神」と「仏」の出逢い
3 春日大社「おん祭」
4 「神=カミ」と「仏=ホトケ」の原理的違い
5 「神道」と「仏法」
6 『古事記』と『日本書紀』と『風土記』
第2章 古代律令神道・律令仏教から中世神道・中世仏教へ
1 記紀神話の成立とその要点
2 「神道」とは何か
3 外来宗教としての仏教
4 7世紀の宗教革命
5 最澄と空海
6 霊的国防都市としての平安京
7 古代世界の崩壊と中世世界の始まり
第3章 中世における神と仏
1 伊勢神道の成立と特徴
2 吉田神道の確立と特徴
3 神国思想と豊臣秀吉および徳川家康の切支丹禁止政策と鎖国
第4章 国学(古学)と幕末維新期の神道と仏教
1 古代神話——調停的・分治的一者の確立
2 中世神話——根源的・個的一者の確立
3 近世神話——仮構的・内向的一者の確立
4 近代神話——対抗的・外向的一者の確立
5 柳田國男と折口信夫の民俗学と「新国学」
第5章 神仏分離(判然)から神仏共働へ——新神仏習合の時代へ
1 5つの神話とその現代的意味
2 戦争と平和
3 戦後神話、柳田國男と折口信夫の新国学再論と霊性の立場
4 今日問われる日本的霊性
あとがき
(角川書店HPより)