比較文明学会九州支部 設立の趣旨

比較文明学会九州支部

設立の趣旨

 本会は、比較文明学会の九州における支部として、それ以前の数回の研究会活動を踏まえて、西暦2000年(平成12年)6月10日に設立された。

  本体の比較文明学会は、文明論研究会(西暦1978年12月結成)の活動を母体として、1983年の発足以来、さまざまな研究活動を行なってきた。その目的は、比較文明に関する総合的研究である。毎年、全国大会や研究会が活発に行なわれている。

  しかし、文明の研究には、日常的にさまざまな領域の人々が気軽に意見をかわすことも、より効果があるのではないかと思われる。そのためには、比較的地理的に近い範囲の人々の交流の場が設定されるのも一案であろう。そこで設立されたのが、九州支部である。特に九州は、日本列島と他地域の文明とのかかわりの中で、媒体的な機能を果たしてきたこともあり、その点でも、意義深いといえよう。

 文明の研究には多彩なアプローチが可能であるばかりでなく、必要でもある。そしてまた、いわゆる研究者ばかりでなく、できるだけ多くの人々の意見や考察が生かされるのが望ましい。なぜなら、文明は、地球上のすべての人類のかかわりの中で、発展・変化してきたものであり、また、現に、発展・変化しつつあるからだ。

 したがって、本支部の活動に参加するのに、なんらの制限もない。また、議論の内容にも、なんらの制限もない。比較文明学会の設立記念講演で梅棹忠夫氏は次のように述べた。「私たちの眼前には、自由にして広大な知的地平線が広がっている」のであり、「さまざまな新分野や新概念が、この新しい学会から次々と生み出されてくる」ことが期待されている。九州支部も、まさに、これを目指しているのである。

  いわば、サロン風の雰囲気の中で、普段着のままで、文明をキーワードに、自由かつ気軽に議論するのが本支部設立の趣旨である。

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